2025年02月27日

季節の知らせ令和最新版

初めに


「秋深き 隣は何を する人ぞ」松尾芭蕉 元禄7年 。松尾芭蕉が最後の旅で詠ったこの俳句は、現代でも様々なところで聞く機会があるだろう。
「秋深き」はこれからの寒い季節の訪れに寂しさを感じさせ、隣人に対して興味が、孤独な旅を演出している(ように感じる)。まさに晩秋のような俳句であろうか。とても好きだ。

さて、我々日本人はなにかとつけて季節を感じてはその様子を残してきた。前述の俳句では「秋深き」と直接的に季節の単語が入っているが、それは生き物だったり情景だったり、時には文化的な何かで表現されている。
それらは「季節の知らせ」や「風物詩」として我々の共通認識となっているからこそ、共感できるものである。

このように令和に生きる私達だが、情報化社会においては「季節の知らせ」も少し独特になりつつある。私の中の少し風変わりな、季節の知らせ令和最新版を皆様と共有したい。

※何故この時期に晩秋の話かというと。令和の季節の知らせの特徴として、季節外れともいえる時期尚早に知らせてくれるのが通例である。通例にのっとり、季節外れの秋から始める事とする。

晩秋と冬の訪れ

令和の晩秋と言えば、これだ。
「クリスマス。しょっぱいブラックフライデーを添えて」
晩秋と言えば、クリスマス。これは外せない。
まだ12月にもなっていないのに、クリスマスケーキの予約を焦るスーパーに怒りすら覚える。ただでさえ始まりの遅い、秋の終わりを早めてどうするのだと。そのくせクリスマス当日は、もうケーキを見る事よりも、鏡餅を見る回数の方が多い。

26日になると、安売りケーキが年末を知らせてくれる。いや、正確には「安売りケーキ、売ってないかな」という淡い期待によって年末を迎える。そして、案外売っていないものである。

しょっぱいブラックフライデーも晩秋のいい味を出している。特に安売りする商品もないのだが、何とか工夫してセール感を演出しているように感じてしまう。本社から詰められて仕方なくやっているのだろうかと、各小売店の店長さんを心配してしまうのだが杞憂だろうか。
これぞ晩秋、季節の知らせ令和最新版。

春の訪れ

慌ただしい年末年始を終えた後は気の早い恵方巻とバレンタインデーの広告が現実、そしてネットで華々しく展開される。元々2月に何の行事ごとも無かったからの反動なのだろうか。やけに広告が目立つように感じる。ひと月も先のイベントに正月休みの終わりを告げられるのは苦い反面、そろそろしゃきっとせいと背筋を正してくれている。

そして、大量の廃棄品について議論が交わされると、そろそろ春がやってくる。この時期はまだ暖かくないが、春一番の知らせだ。

本格的な暖かさをお知らせしてくれるのは、警視庁発表による不審者件数の増加である。

梅雨、そして夏

6月中旬。梅雨。令和の梅雨といえば「水着」は外せない。
大雨の中外に出る為ではない。

現実ではこの季節、晴れた日は程々に暑さを感じる。だからと言って海水浴に行こうと提案する者は少ない。関東では海開きまで1ヶ月以上かかり、海水浴場も未だに静けさが漂う。

だが、ジャパンインターネットの海開きは6月中旬に訪れる。
そう、ソーシャルゲームの水着イベントである。
6月中頃を迎えると、SNSのタイムライン上には美男美女の水着姿のイラストがあれよあれよと躍り出てくる。ソーシャルゲームの水着イベントのお知らせである

背景の青い海とヤシの木が画面越しに夏を感じさせてくれる。しかし、液晶から目を離してふと窓の外を見ると曇天に雨。柳に小野道風が立っている。

この液晶と現実のギャップこそ、梅雨の知らせ令和最新版だろう。

そして何故、7月8月ではなく6月中旬に水着イベントを始めるタイトルがあるのか、詳しい方がいればご高説を賜りたい。第二段階、第三弾でも控えているのだろうか?鬱陶しい雨を振り払おうと、晴れ乞いの念を込めているのだろうか?

そして夏。夏は何もない。
暑すぎて秋の知らせどころではない。

おわりに

さて、ここまでつらつらと文句のようなものを垂れ流してしまいました。
何故こんな事を書いているかというと。
季節を感じて過ごすのも私の生きがいの一つではあります。
ですが昨今、その季節の知らせが早すぎるのではないかと目に余った次第となります。
なので、悶々としたこの想いをこの場で供養させてもらいました。
お目汚しの拙文ですが、ご笑覧いただければ幸いです。

みなさまの季節の知らせ、令和最新版がありましたら是非共有して貰えれば嬉しく思います(Youtubeでよくある最後の方のコメント誘導みたいになっちゃったね)。


さて、折角なのでゲーム開発の進捗はと言いますと......
以前お出ししたイラストやその企画そのものも諸事情で使わなくなりそうな状況です。
いいか悪いかは微妙なところですが、今のところは前向きに進めております。
いつもお陰様で、楽しく生活させてもらっております。
それではまた来月!

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